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2009年03月17日(火) 
 空気や水の温度は間違いなく魚やその食糧に影響を与えます。また、川底の化学的性質にも影響を与え、魚が吸い込んでいる水の中のミネラルは魚の体組織に何らかの影響を及ぼすでしょう。
 グレーリングの局在性についてデイビー卿ほどのオーソリティーは見あたりません。彼はグレーリングをたくさん釣り、特にどんなところにグレーリングが居るかということを追究した人です。デイビー卿が書いたサルモニアという本の221ページでは、以下のように述べています。
「テスト川には最近になって初めてグレーリングが導入されたのですが、3-4ポンドの魚が居るようです。この川では私はこれまで2ポンド以上の魚を釣ったことはありませんが、聞くところによると2ポンド半の魚が釣れたそうです。グレーリングはイギリスでは珍しい方の魚であり、スコットランドやアイルランドではあまり見られません。そこではグレーリングが棲みついて自然再生産が可能な川はほとんどないのですから。私はハンプシャーにあるエイボン川より西でグレーリングの居る川を知りません。エイボン川の支流でウイルトシャーから流れ出るいくつかの川ではグレーリングが見られます。サバーンSevernより東の北岸の川にもグレーリングは居ますが、上流に少数が居るだけです。また、ウェールズ北部の川にもグレーリングは居ます。ワイ川Wyeとその支流には少数のグレーリングが見られ、隣の谷を流れるヘレフォードシャーのラグ川Lugにはたくさんのグレーリングが居ます。ディー川Deeでは、前にも述べたのですが、居ることは居るのですが、多くはありません。ダービシャーやスタフォードシャーのダブ川Dove、ワイ川Wye、ダーウェント川Derwent、トレント川Trent、ブライス川Blitheではグレーリングを購入して放流しています。同様に、ヨークシャーの北岸ではリブル川Ribbleの支流、リッチモンドRichmondからカタリックCatterickの2マイル下までのスウェール川Swale、南部ではウーア川Ure、ワーフ川Wharfe、ハンバー川Humber、ダーウェント川Derwent、およびライ川Ryeの支流にも放流されています」
 また、203ページでは、こう述べています。「釣り竿を手に持ってヨーロッパの南や東のアルプスの谷や、ノルウェーやスウェーデンを旅してきましたが、冷たい上流部の川ではいつもイワナの仲間が釣れました。イワナは標高が高く冷たい山の小川に居る鱒です。それに対して、グレーリングはイワナより標高は低く、気温が温暖な所にいました。暖かい国では山の麓で、水温と気温が同くらいの場所を水源として流れ出る川で、水源から近いところで釣れました。それらの川としては、コリツェアCoritzea近くのビパッコ川Vipaccoやノリック・アルプスNoric Alps(訳者注:オーストリア内のアルプス)の石灰岩洞窟から噴出する川があげられます。
 水温以外に、グレーリングの生育には独特の川の流れが必要です。鱒が好む浅くて速い流れの川はグレーリングは苦手です。また、イワナやチャブ(訳者注:ウグイなどのコイ科の魚)が好む深い淵や湖にはグレーリングは棲んでいません。グレーリングには流れと淵の両方が必要なのです。彼らは、休むための靜かな深い淵と、その上流部に速い流れがあり、淵の下流部には緩やかな傾斜の浅瀬があり、泥灰とロームが砂利と混ざった河床の川に好んで生息します。これらの性質を持っていない川にはグレーリングは居ても少数です」
 ロウ牧師Rev. Mr. Lowは、「グレーリングは、ラップランドやスイスと同じように、オークニー島Orkney Islandsにはたくさん居る。だが、スコットランドには稀であり、イングランドではサリスビュリーSalisburyのエイボン川、ファウンテンズ・アビーFountain's Abbey近くのウア川、コーワンとベラの間のディー川、そしてダブ川にいるだけである。また、トレント川、ワーフ川、ハンバー川、ライ川、ダーウェント川にも居る。」と述べている。
 グレーリングが小魚を補食することはめったにないと言われているし、私もグレーリングの胃の中に小魚を見たことはありません。一方、およそ6個の砂粒でできたケースに入ったラーバやニンフをたくさん見ました。カゲロウもたくさん見ましたが、多くは優美なモンカゲロウの仲間でした。
 グレーリングはすばやく、ほぼ垂直に泳ぎ上がって水面の獲物を取り、180度のとんぼ返りですばやく川底に下ります。これは離れ業のような妙技であり、大きな背びれはこの動きに役に立っているように思われます。その敏捷さは驚くべきで、グレーリングは“幻影”または”サッと動いた影”のように見えます。だから誰かによってグレーリングの愛称はアンブラUmbraからアンバーUmberに変えられたのです。グレーリングはウォーター・タイムwater-thyme(訳者注:オオカナダモ)を食べると言われてきました。しかし、私は鱒の数と同じくらい多数のグレーリングの胃内容を見てきましたが、胃の中にいかなる植物も見たことがありません。グレーリングは川から釣り上げたとき、独特の香りがします。それは釣り人にとって芳しく感謝の香りであり、多くの人からタイムに似た香りと思われています。そこから、グレーリングはリンネからサーモ・ティマラスSalmo thymallus(訳者注:タイムの鮭)と命名され、セント・アンブローズSt. Ambroseからは”Flower of Fishes 魚の中の花”と呼ばれているのです。
 グレーリングは鱒よりも社交性があるように思えます、なぜなら釣り人が近づいても定位置から簡単には動こうとはしないからです。けれど、これが、彼の定位位置が深いことによるのか、それとも警戒心が少なく、単純な魚なのか、本当の所はわかっていません。ただ、グレーリングは鱒よりも速やかに変化を感じ取る能力に欠けているようです。若い釣り人は、一度グレーリングを掛け損なっても、次にライズするのを待つ価値があることを学ぶ必要があります。彼が冷静さを保っていれば、一度鉤に掛かったとしても、グレーリングは釣れる可能性が高いのです。グレーリングがフライに向かって疾走するしてくることに気を取られずに、必要なときにすばやく合わせる心の準備ができていなければいけません。


          ---つづく

閲覧数492 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/03/17 09:36
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