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第Ⅲ章 鱒釣りとグレーリング釣りの方法 MANNER OF FISHING FOR TROUT AND GRAYLING. ”釣り竿とラインを携えて、 私はその甘い季節を与えたスポーツに愛を請う” ワーズワース 竿を継いだら、竿のガイドリングはお互いにラインに向かって垂れ下がります。ラインを巻いたリールは時には釣り人の腰のベルトに固定されますが、ほとんどの場合、竿のバット・エンドから10-15インチほど離れた場所に固定されます。つまり、その場所は竿の上の部分の重さとのバランスのとれた狭い部分なのです。注1。 注1。いくつかの優秀なロッドメーカーは現在竿のもっとも下端つまりバット・エンドにリールシートを置いています。私も試してみましたが、これがリールのベスト・ポジションだと思います。 フライラインの細くなった先端にはループが作られ、そこにはフットラインfoot lineをドロー・ノットdraw-knotで繋ぎます。そして、フットラインの細い先端にはフライやパーマーを取り付けますが、これらはストレッチャーと呼ばれています。他のフライ、すなわちフットラインの途中に結びつけるフライはドロッパーと呼ばれ、ドロッパーは2つ付ければ十分です。最初のドロッパーはストレッチャーから1ヤード4分の1の場所に付け、2番目のドロッパーは最初のドロッパーから1ヤード離して取り付けます。それぞれのドロッパーは4インチの長さのガットでフットラインに結びます。そのためのノットはいろいろ考案されていますので、付けたり、外したりして楽しんでください。 フライのスローイング Throwing (=投射、キャスティング) フライを投げる技術を学ぶためには、川に行く前に、木が生えていない所で、紙を地面において、その紙にフライを乗せる練習をすることをお薦めします。後ろから風が吹いているときは、初心者は短いラインで紙から1-2インチ以内にフライが落ちるように練習してください。その後、技術が上がってきたら、徐々に出すラインを長くしていきます。スローイングの邪魔になるような風向きで練習をするのもいいことです。最後に、向かい風にむかってスローイングの練習をしてください。この方法で練習すれば、川で得られた経験だけを信じている人たちよりもずっと短時間で、誰でもがフライ・スローイングの巧者になることができます。なぜなら、川岸では釣り人の心はライズなどへの期待で一杯になっていますし、悪いスローイングの習慣が身につきやすいのです。そして、悪い習慣はいったん身につくと簡単には排除できないのです。 釣り人はラインの先端がまっすぐに進むように、または、頭を回ってカーブするように投げなくてはなりません。ラインを後方から前方へあまりに急にターンさせたりすると、パチンと音がしてフライがちぎれてしまいます。この要領をマスターするのは少々難しいと思います。フライのサイズが大きいほど、空気の抵抗が大きくなります。この空気の抵抗は結果的に良いカーブ(訳者注:ラインループ)をもたらし、フライが切れ飛ぶ危険は低くなります。ただし、プレート19に示すパーマーの場合は、この現象によってフライが失われることはほとんどありません。 フライをうまく優雅に投げるのに必要なすべての注意や操作法を文章で書くのは、あたかもダンスの踊りかたを文章で書くのと同じで、不可能なことでしょう。非常に大事なことは、フライは水面にできるだけ軽やかに落ちなければいけない、ということです。不器用かつ不作法にも水しぶきが上がるがごときは絶対に避けなければいけません。 天候と水 Weather and Water フライフィッシングにもっとも好ましい日は、暖かくて曇りの日で、南風や西風がやさしく吹いて、水面にさざ波が立つ時です。なぜなら、そのような日には、魚はフラットな水面の時のようにあからさまに釣り人を見ることはできませんし、フライメーカーの策略を見分けることもやりにくくなるからです。 洪水の後の数日間は川の水に濁りが入り、フライフィッシングはできなくなります。水位があまりに下がって、水の透明度が高くなっている場合も好ましくはなく、魚を釣るのは難しくなります。一方、水位は高めでも濁りが入っていない場合は、魚は水面より水底で餌を取っていることが多いものです。ですが、後の2つの状況はフライフィッシャーの技術を試す良い機会でもあるのです。 ---つづく |