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2010年09月25日(土) 
9月19日(日)。
 今日は名ガイドの評判が高い鹿追に住む澤田耕治さんと釣りに行く。彼は五十代だと思うが、物静かで、落ち着いて話すのに好感が持てた。彼は、十勝川本流には大物が居るが、濁りがとれないので釣りにならない、ドライフライでの釣りがご希望のようですから支流のS川に行きましょうと言う。朝から小雨が降っていた。
 川に着くと橋のたもとに「クマ出没中」の看板があり、最終目撃日は9月14日だそうだ。5日前のことだ。不安がよぎるが、”クマが出ないところに魚は居ない”という釣り人の格言を思い出し、熊鈴をベストに付けた。
 S川は底石の多い川で、水量も十分で、鱒の付き場はわかりやすかった。ニジマスは川の流心に居る鱒であり、活性が高いときには流心の白泡の中からフライに出てくるものだが、この日は白泡の流心からは出ず、白泡が消えたあとのやや緩い流れから姿を現した。12番くらいの大きなドライフライを使い、1匹目のニジマスが釣れたが、23センチ程と小さい。だが、魚体はパーフェクトであり、この川で生まれ育ったニジマスであることが良くわかった。ボクとN居田君は交互に釣り上がり、つぎつぎとニジマスが釣れるが、みな同じようなサイズだった。
 お昼頃、ボクは澤田さんに
「なかなかいいカタは出ませんねえ」
と言うと
「そうですねえ、今はまとまった水生昆虫のハッチもないし、大物は底でニンフを食っているんですよ。水面に出ると猛禽類から襲われる危険がありますからね。ドライフライに出るのは腹をすかせた若者サイズですね」
「そうですか。そうすると、カタのいい魚を釣ろうと思ったらニンフを沈めた方がいいということですかね」
「そうなんです。そのほうが確実ですね」
そこでボクはニンフフィッシングに切り替えることにした。だが、なかなか釣れない。ショットを増やして川底に着くくらいで釣ったが、この日、30センチ以上のニジマスを釣ることはできなかった。
 この日の釣りが終わって道の駅で着替え、一休みした。ボクは澤田さんの釣りへの経験になみなみならぬ物を感じていたので、聞いてみた。
「僕らの釣りを見ていて、何かアドバイスがあったら言ってくれませんか。今後の北海道での釣りの参考にしますから」
と。すると、彼はやや考えて、言いよどみ、そして
「ちょっと魚に近づき過ぎですかね」
と言った。ウム、これはすばらしいアドバイスだった。ボクはたかがニジマスと思っていたフシがあった。また、この川はフリーストーンの流れであり、水も少し濁り加減だったので、ポイントにかなり近づいても大丈夫だろうと思っていた。だが、北海道のニジマスは野生動物であり、しかも大物は用心深い。これからは北海道のニジマスに敬意を払い、極力離れて釣るようにしようと思った。翌日はフリーの釣り日であった。澤田さんはお勧めの釣り場を地図を描いて教えてくれた。ありがたかった。
 第一日目の釣りが終わった。澤田さんには北海道に根付いた釣り名人の風格があった。ボクはふと、”ボーンフィッシャーマン born fisherman(生まれながらの釣り人)”という言葉を思い出していた。彼こそその呼び名にふさわしいと感じていた。
 帰りの車の中でN居田君が言った。
「澤田さんが山刀をウェーダーの下に忍ばせたのに気づいてました?」
と。
「エエッ、ほんとうに、見てなかったよ。クマとの格闘用だろうな。クマと遭遇したら最後の最後はナイフしかないらしいね」
彼はほんもののプロのガイドであった。

澤田さんにカメラを渡していたらたくさん写真を撮ってくれていた。撮影もなかなか上手であり、ちょっとしつこいが多めの写真を載せておこう。







閲覧数761 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2010/09/25 11:54
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