9月20日(敬老の日)。
今日は自由な釣り日であり、N居田君と二人だけで釣りに行く。今日も小雨交じりの天気だ。午前と午後は別の川に入ることにした。ともに澤田さんお勧めのポイント。
午前中のO川は広々とした河原をゆったりと流れる川で、こんな渓相で鱒類が釣れる川は内地(北海道以外の日本)にはほとんどない。いいなあ、北海道にきているなあと感じ、大きく息を吸い込む。河原を歩いていると、アラスカやカナダに居るような感じだった。
ボクもN居田君もニンフフィッシングで釣り、そこそこ釣れた。ここでボクは一匹大物を掛けて逃げられてしまった。流れ込みにニンフを流した時に大きくラインが引き込まれ、魚は重く、4番のセージロッドは手元から大きく曲がった。しばらく耐えていたら、フッと手応えが消えた。見るとフライは付いていたので、鉤がかりが浅かったようだ。ウウム、残念!
河原を歩いていると小さな青い花を見つけた。ボクの守護花であるワスレナグサだった。
午後はS川下流部へ行った。ここでは川は細流になり、踏み跡もなく、釣り人は入っていないように思われた。N居田君は気味悪がって別の場所に行ってしまった。ボクもやや不安だったが、澤田さんお勧めの場所であり、きっといいポイントがあると信じて細流の中を川を遡っていった。10分ほど歩いた頃、本流に出合い、すぐ上に低い堰堤が見えた。そして堰堤の下は深みになっていた。コレダ、ここには魚が残っているぞと思った。良く釣れたなあ、立て続けに7匹ほど25センチ級が釣れ、そしていい魚が出た。彼は鉤に掛かった途端に疾走し、下流に向かった。だが、7~8メートル下流のやや深いところで止まった。何度かのやりとりの後、ネットに収まったのは33センチの体高のある立派なニジマスだった。完璧な魚体、美しい黒点、先の尖った鰭・・・、それはほれぼれするほど綺麗な魚だった。写真を撮ってリリース。そのころ、急に雨脚が強くなり、川から上がることにした。途中の細流には綺麗な緑色のカナダ藻(梅花藻?)が生えていた。
N居田君はグルメであり、ネットで情報を調べてくれる。帯広は肉が旨いとのことで、昨晩は焼き肉を食べに行った。一昨日はジンギスカンだったので、肉が2日続いたので、今晩は魚を食べようということになった。そこで、やはりN居田君が見つけたくれた「魚千」という炉端焼きに行った。おばさん3人がやっていて、本シシャモ、タコの唐揚げ、蕎麦掻きetcと地酒を数本飲んだ。料理は旨いし、応対もほど良く、値段も高くはなかった。ボクはすっかりこの店が気に入ってしまった。こんな店が相模原にあったら通うのに・・・。払いを済ませ、帰ろうとすると、女将さんが
「お宅はかっこいいですねえ」
と言う。驚いたボクは
「エッ、ナニ、ボクが?」
「そうです。かっこいいです」
とのたまう。ボクはややうろたえて、何を言ったかよく覚えていない。気分良く店を出た後、あんな調子のいいこと、お客全員に言っているのかなと思ったが、そういうわけではないたようだった。ま、内心、また来ようかなと思ったのは間違いない。思いがけない、帯広の夜の、ハプニングだった。
O川
S川下流