6月1日(月)、晴れ。オーナーの齋藤さんと相談し、この日の午前中は23番から入渓し、堰堤までやることにした。ここは予約制だし、あせって入渓する必要がないので、朝食後はベランダでパイプを吞みながらのんびりすごした。 川は相変わらず渇水気味で釣りは難しい。水の透明度は高く、太陽が照っているので、川を徒渉すると水面の波が輝きながら広がって美しく、時には虹色に輝いた。また、落ち込みの横の反転流の石際でライズを見つけ、フライを何度も流したが釣れない!おかしいと思って、回り込んでよく見たら石の下を通ってきた空気が水面に上がってきていたのだった。これには完全に騙されてしまった。 途中、ややエッチな感じの岩があった。観音岩とでも呼んでおこうか。興味がある方は対岸を注意してご覧あれ。 瀬でなんとか3匹を釣り、堰堤下のプールに来た。ボクはこの釣り場でイワナを釣ったことはないが、齋藤さんの話では釣り場の上半分にはイワナが居るという。ここでは流れ出しの向こう側の大岩の下がえぐれていて、イワナが潜んでいそうだったので、フライを流し、大岩スレスレの5~10センチメートルの所に止めておいた。そうすると5、6秒後には岩の下から影が突進してきてボクのフライを吸い込んだ。大きな魚だった。彼は大岩の下に逃げ込もうとしたが、ボクは渾身の力で疾走をとめた。レナードの4番の竿はバットから曲がり、魚との綱引き状態になり、数秒後には急にテンションがなくなり、魚は逃げてしまった。見ると、フライはちゃんと付いていて、鉤掛かりが浅かったと思われた。ううむ、残念!この話を齋藤さんにすると、「あの場所ですか、よくわかります。魚はおそらくイワナじゃなく、アマゴだと思います。間違いなく30センチメートル以上はあったと思いますね。惜しいことをしましたね」「そうですか。だけどここの魚は強いねえ。他の管理釣り場のヤマメ/アマゴとはパワーが全然違うよね」「そうなんです。このあたりは放流はしてませんから、ここで生まれ育ったワイルドフィッシュばかりなんです。だからパワーがあるんです」とのこと。 お昼にはクラブハウスにもどっておいしいスパゲッティをいただき、午後は齋藤さんと二人で27番(釣り場の最上流)に入った。ここは普段は大物が居る所らしいが、この日はチビイワナが1匹釣れただけだった。 夕方は26番の上端で暗くなるまで釣ったが、虫は飛ばず、イブニングライズも起きなかった。やはり、一雨ほしいナ、という感じだった。 夜はおいしい食事を食べ、おしゃべりをして、この日は竹鶴ピュアモルトを飲んだ。夜には雲が出て、ベランダからは満月の一歩手前の丸い月が雲間から見え隠れしていた。ロッジでは寝る前に宮部みゆきの「ぼんくら」を読んだ。だが、短編の半分まで読んだころから猛烈に眠くなり、コトンと寝た。