僕は「トトロ・・・」以来の宮崎駿のファンであり、おりに触れてスタジオジブリの作品を見てきた。 で、順番が来て今回アニメ「ゲド戦記」となった。監督は宮崎吾朗であり、駿氏の息子だ。アニメ「ゲド戦記」の評判がイマイチのようなので先にル・グウィンの原作を読むことにした。読んだのは全6巻中の第1巻「影との戦い」だ。清水真砂子の翻訳がすばらしく、ストーリーも面白くて、引き込まれて一気に読んだ。ついでなので第2巻を読み始めたが、興趣が続かず、現在中断中。 そして宮崎吾朗監督のアニメ「ゲド戦記」を見た。これは・・・と思った。主人公の名がゲドであることだけが原作と共通で、他の登場人物や内容は、原作とはまったく違うのだ。調べてみると原作者のグウィンもアニメを見て「これは別物です」と言っていた。 このアニメでは随所にストーリーの不連続性があり、ことに王子アレンがなぜ父親を刺し殺したのか、まったく説明がない。物語のテーマも絞り込めていない。はっきり言えば、失敗作なのだがスタジオジブリのおかげで世に出たという感じだ。 だがね、吾朗氏の才能は見え隠れしていて、次作への期待はある程度持ってもいいのかもしれない。今回のアニメの最大の問題はタイトルであり、「ゲド戦記」と名付けるべきではなかったのである。一流の親が居て、子が同じ職場に入ると、面倒な状況になるようである。 原作(本)はすばらしい!とても気に入っている。ファンタジーの傑作だと思うし、ハリーポッターや指輪物語と並んで評価が高いことも納得できる。僕はアースシー諸島の原図が見たくてアマゾンUSAに原書を注文してしまった。 |