１０月２０日(火)、晴れ。
　晴れが続いている。ペンションの近くの家に古風な煙突があったので写真を撮った。ヨーロッパではさまざまな煙突があっておもしろい。
　この日も朝１０時にドラゴが迎えに来てくれた。川に向かう途中、ひときわ目立つ雪に覆われた山が見えた。
「あれは？」
「あれがトリグラウだよ。スロベニアでもっとも高い山で、姿が美しいので、スロベニアの象徴になっているんだ。僕は何度も登ったよ」
と言う。そう言えば、昨夜山では雪が降ったようで、それほど高くない山にも冠雪が見られていた。
　この日は昨日より２－３キロメー

10月19日（月）、晴れ
　さて、朝9時半、エリカはオーストリアにもどる。彼女は避難民のことも心配だが、ニュルンベルグに居る叔母さんの認知症が急に進んでいるのが気がかりで、ブレッドには2泊3日だけで帰ることにしたのだった。
　彼女のことにちょっと触れておくと、彼女はロシア系のオーストリア人で、ウィーン大学教養部の教授を定年まで勤め、いまは年金生活者だ。僕より3歳年上で、結婚は一度もせず、子もない。僕が初めて彼女に会ったのは１９８２年であり、僕がウイーンの学会に行ったときのことだった。その後、僕がトラウン川に釣りに行くたびにお世話に

－ウイッシュベル（Wish Bell）を鳴らした－

　昨夜はミッキーフィン（アルコールと入眠剤を一緒に飲む、仕込み酒のこと：詳細を知りたい方は拙著「フライフィッシング用語辞典」を参照されたい）のおかげでぐっすり寝て、朝7時半に起きて窓から外を見ると秋の朝霧がたちこめていた。だが、日が昇るとみるみる霧は晴れて青空となった。目ざましをかねて外に出ると、冷たかったが、気持ちが良かった。スロベニア滞在中、このあたりは標高も約５００メートルと高いので、朝晩は５－６℃で、昼間は陽が当たっていれば１４－１５℃くらい、日陰では７－８℃だった。忘れ物

　今回、１０月１７日～２５日、スロベニアにグレーリング釣りに行った。1週間の休みをいかに能率的に使うかを考え、半分をチェコ、半分をスロベニアにしようと思っていたのだが、チェコは宣伝が行き届いているらしく、１０月の川はかなり混みあっているらしい。そこで、１４年前に行ったスロベニアではとてもいいグレーリング釣りが出来たし、1ヵ国に留まって落ち着いて釣りをするのもいいので、スロベニアだけで釣りをすることにした。
　スロベニア行きを決めたもう一つの理由は、スロベニアの水産研究所に勤めるミハ・イバンクMiha Ivanc（釣り人であり生物学者）が釣

　この日は釣り大会だ。規則は少なく、釣り方は自由（ルアー、フライ）で、釣った魚の写真を撮ること、そして午後２時にすずらんペンションに集合すること、参加費は昼食代を含めて１５００円、各自、景品を１個持ってくること、などだった。主催はすずらん常連のW林さん（ルアーマン）で、ペンションのF屋さんが協賛のようだった。
　朝９時に田中山のK木さん到着。二人で下流の高山荘のあたりに入った。天気も良く、川底の砂には金色に光る結晶が混じっていてキラキラと綺麗だった。ここでは、僕にはチビアマゴが釣れただけだったが、K木さんにはまずまずのアマゴが釣

９月２２日（金）
　シルバーウィークの最終日の２３日、すずらんペンション／W林共催の釣り大会があるというので、僕はペンションに１泊することにして、前日（２２日）の午後には相模原を出発した。
　驚いたのは中央高速では上り線の渋滞が始まっていたこと。そして気温は２７℃だったが、すずらんに着いた時には１９℃になっていた。わかっては居るがあまりの気温差に驚いてしまう。外の喫煙所でタバコを吸っていると、顔見知りの白髪の人に会った。
「おひさしぶりです」
とあいさつされ、
「ああ、あの、区役所にお勤めの・・・。お久しぶりですね」