心がぽかぽかするニュース 第三章 思わずクスリ、ほろり、ほっこり、びっくり(71)
2014年02月16日(日)
西日本新聞 2012年8月10日付 朝刊 【28歳の小学1年生】 看護師への夢膨らむ 貧困で中退タイの女性
〈バンコク新藤卓也〉28歳の女性にとって小学校1年生といえば、ちょうど自分の子どものような年齢だろう。そんな同級生たちと机を並べる教室の光景はちょっと不似合いではあるてれど、彼女はこう言って瞳を輝かせた。「わたし、自分の名前を書けるようになりました。
タイの首都バンコクから車で北東に約1時間半のサラブリ県ワット・ノンガター小学校。新年度の授業が始まる前日の5月15日、ブンルアンさん(28)は学校を訪れて直訴した。「字を学びたい、読んだり、書いたりできるようになりたい。学校に通わせてください」 ソンボーン校長(59)はその身なりに驚いた。服も靴もボロボロ。一見して貧しい家庭状況が読み取れた。それ以上にひたむきな思いに心を打たれた。「断ることは簡単でした。でも、ここで断ったら彼女は一生教育の機会を得られないでしょう。チャンスをあげたいと思いました」。教師の間には「年齢が行き過ぎている。負担が重いのではないか」と懸念の声もあったが、翌日の新学期から1年生22人のクラスへ迎えることに決めた。 ブンルアンさんがこの小学校に通うのは2度目だ。20年ほど前、普通の子どもと同じように入学した。しかし、両親の離婚や病気の母親の看病、家事の手伝いなどで次第に通学できなくなった。読み書きも1桁の足し算もできないまま学校を去った。「買い物しても、いくらお釣りをもらったらいいのか分からない。それにちゃんと収入のある仕事に就くには、やっぱり勉強しないとだめだと思いました」 初日以降、一日も休むことなく自宅から2キロの道を自転車で登校する。毎朝7時。一番乗りだ。教室の窓を開けて掃除するのも日課。「勉強を教えてもらっている場所だからきれいにしたい」。制服は学校関係者がお下がりを寄付した。ノートや鉛筆も特別に学校が提供している。午後3時半に下校後は家で掃除、洗濯、食事の準備、その合間に読み書きを続けた。「自分の名前を書けるように なったときはすごくうてしかったです」と顔をほころばせた。 「28歳を1年生に入れるなんて冗談かと思いました。緊張しているのか、最初はトイレに行きたいとも言い出せなかった。3カ月たった今では顔の表情がとても優しく、豊かになりました。少しずつ自信がついてきたんだと思います」と担任のギンゲーオ教諭(52)。子どもたちからも「ピーチア(チアお姉さん)」とニックネームで呼ばれ、人気者だ。 「今はとてもハッピーです。目標は明日も学校に来ること。1年間学校に来て、6年生まで勉強すること」とブンルアンさん。当初は「読み書きができるようになりたい」との思いだけだったが、最近は「お母さんの看病ができるように看護師になりたい」と、夢を膨らませている。
○○〈読者投稿〉 この記事を読んだ時、正直ハッピーというよりつらい気持ちになりました。 家庭の事情で学校に行けず28歳になるまで、自分のことは後回しに・・・。今の日本でそんなけなげな子供だいるでしょうか? 義務教育故に、自分から学びたい、というより行かされていると思っている子供の方が多いのでは? 自分もそうだったような気がします。もっと勉強しておけばよかったと後悔ばかりです。この記事の女性は諦めなかったし恥ずかしがらず、いちずな思いで直訴をし、それを受け入れた学校にも拍手を送りたいと思います。これが教育(学校)の本来の姿だと思いました。こういう人にこそハッピーになってもらいたいし、なれるはずです。 お母さんのためにもぜひ、看護師になってほしいと願います。「今はとてもハッピーです」の言葉に私もハッピーをもらった気がしています。 南真弓さん 57歳 福岡県 × × 誤字脱字写し間違いあります。
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カテゴリ日記
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投稿日時2014/02/16 11:40
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