4月12日中日新聞のコラムです。
サクラの季節も過ぎ、街路樹のハナミズキの白い花が目につくようになってきた
▼かつては4月下旬の連休前あたりに咲いていたおぼえがあるが、最近は開花の時期が少しばかり早くなってきたようである
▼日本から米国に贈ったソメイヨシノの返礼品として、大正時代に米国から日本にやってきたが、欧米にはこんな言い伝えがあるそうだ。かつては今よりも太く、頑丈な木だったという
▼それがあだとなり、ハナミズキはつらい役目を負わされることになった。キリストが磔(はりつけ)となった十字架を作る材料として選ばれてしまった。ハナミズキはつらい役目を悲しみ、以降、小ぶりで曲がった木になった。二度と十字架とならないようにと己の形を変えたというのである。花びらのような4枚の苞葉(ほうよう)が十字架のように見えることもこの伝説が広まった理由かもしれない
▼<昏(く)るるとき白き極みよ花みづき>中村苑子。確かに昼間より夕暮れどきの方が花の白さが鮮やかに見える気がする。春の季語だが、気候変動で四季が「二季」となる昨今においては春というより夏が次第に接近していることを知らせる花になりつつあるか
▼昨日は全国的に気温が上昇し、最高気温が25度以上の「夏日」となったところも。ハナミズキの下を半袖の子どもたちが駆けていく。そろそろ暑さに備えたい。この夏も平年を上回る暑さになりそうだという。
(写真は和光町の街路樹ハナミヅキ)