■バックナンバー
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://e-jan.kakegawa-net.jp/blog/blog.php?key=706534
2014年02月24日(月) 
 「苦労かけたなぁ、ご苦労さん」  第1作「男はつらいよ」から

 寅さんは、懸命に生きている人に素直に「ご苦労さん」と言える人です。
 寅さんは、袖すりあうも多生の縁を大切にして、出会った相手の話に耳を傾けます。「そうかい、大変だったねぇ」と。苦労はその人のものですが、寅さんは、相手の立場や気持ちに寄り添って「ご苦労さん」のことばをかけるのです。
 第1作で、寅さん16歳で家出して以来、20年ぶりに葛飾柴又に帰ってきたのが、帝釈天題経寺の庚申の縁日でした。題経寺の記録によると、1969年4月15日の庚申の日に撮影されたそうです。
 寅さんは、威勢よく纏を回しながら、参道を練り歩き、境内で御前様(笠智衆)、おばちゃん・つね(三崎千恵子)と再会を果たします。その夜、おいちゃん・竜造(森川伸)にも長らくのご無沙汰をわびます。そこで寅さんが「ところでナニはまだかい?」と気にかけているのは、妹・さくら(倍賞千恵子)のこと。ほどなく丸の内の一流会社で働くさくらが帰宅。最初は「この人誰なの?」といぶかしげですが、「お兄ちゃん」「そうよ、お兄ちゃんよ」と感動の再会となります。
 以前、山田洋二監督から伺ったのですが、この「そうよ、お兄ちゃんよ」というせりふを、最初渥美さんは普通の調子で言ったそうです。そのティクを使った第1作の予告編を見ると確かにその通りです。しかしリハーサルを重ねていくうち、渥美さんが調子を変えて高い声で言ったのが、妙にハマってそれが採用されました。
 ぼくはそのハイトーンが少年時代の少しおっちょこちょいの寅さんの性格を、見事に表現していると思います。調子づいたときの寅さんは、特にさくらに対して話すときに、
こうした口調がしばしばあります。
 続いてさくらが「生きてたの?」と訊きます。立派な女性となった妹の姿に、彼女が苦労してきた歳月を思ったのか、寅さんは「苦労かけたなぁ、ご苦労さん」としか言えません。それが妹への精いっぱいの気持ちです。ここから寅さんと最愛の妹、さくらの26年間、48作に及ぶ長い長い物語が始まったのです。
 ×         ×
 誤字脱字写し間違いあります。

閲覧数700 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/02/24 11:57
公開範囲外部公開
コメント(0)
  • 次項有コメントを送信
    閉じる
    名前 E-Mail
    URL:
■プロフィール
まーちゃさん
[一言]
■この日はどんな日
ほかの[ 02月24日 ]のブログは、
■最近のファイル
■最近のコメント
■最近の書き込み