6月28日(日)。曇り。お仕事(研究会)は昨日で終わり、今日からは釣りだ。この日は移動日であり、レンタカーを借り、帯広まで行く。帯広に3泊して十勝川水系を釣る予定だ。 札幌でやりたかったことがあり、それは画家の裕而魅諭(ひろじみゆhttps://www.facebook.com/miyu.hiroji )さんに会い、彼女が描いた原画をみせてもらうこと。ところで、ひろじみゆさんのことを初めて知ったのは、ある人からもらったオショロコマの絵であった。そのオショロコマの絵にはある種の雰囲気があって、顔つきに可愛げがあった。手描きの絵にはかならず描き手の個性が出るものだが、才能が磨かれて個性が際立ってくると、絵を見ただけで誰が描いたか分かるようになる。ひろじみゆさんの絵には”それ”があった。 工房に行ってみると、彼女が描いたオショロコマの原画や鳥の絵が並べてあった。鷲やフクロウはよく描けていた。また中年の男性もいて、彼は魚の絵が専門だそうで、彼の絵も並べてあった。彼はさすがに描き慣れているようで、素直でスッキリした魚の絵なのだが、何かが欠けていた。生き物の生命感、猛々しさ、肌触りのようなものが伝わってこないのだ。ボクは「モンタナのアメリカ人(クレーグ・マシューズ)の家にブラウントラウトの横顔の絵が飾ってありましてね。それは素晴らしい絵でした。譲ってもらえないかと頼んだんですが、特別の絵であり、譲るわけにはいかないと断られました。その絵の写真でも手に入れば、それを参考に絵を描いてもらうようにお願いするかも知れません」と言って、工房を辞去した。 カーナビに帯広を目的地にして高速道路に乗り、十勝平野へと入っていった。帯広の手前まで来たとき、時刻は3時ごろであり、ちょっと札内川に竿を出してみようと思った。友人に教えてもらった橋に行き、身支度をする。道端に看板があり、6月23-25日の三日間、ダムの放水で水位が上がるそうだ。これはこれは、今日は放水の3日後であった。 車の外に出るとおどろくほど寒かった。気温はなんと10℃!熊除けのホイッスルを首にかけ、ハンティングナイフを腰に付けた。そして、ときどき笛を吹きながら林を抜けて河原に出た。河原にはムシトリナデシコの赤い花がたくさん咲いていた。風もあり、こごえるほど寒かった。水位は15センチメートルほど高いようだが濁りはなく、水温は13℃だった。ここぞと思える場所にドライフライを投げたが、魚の反応はなかった。 早々に釣りをやめ、帯広に向かう。道路のそばには広大なジャガイモ畑がひろがり、花を付けていた。花も紫色だったり、白かったりと、ジャガイモの種類がいろいろあるようだった。 ホテルは帯広駅前の日航ノースランド。ここはやや高級なホテルのようで、ベルガールが荷物を運んでくれた。部屋で荷物を整理したり、風呂に入ったりして、ホテルのレストランに行ったときには9時半になっていた。食事は9時までだそうで、しかたなく、歩いてファミレスに行ってスパゲッティを食べた。そこは若者が多く、スパゲッティは雑な料理だったが、量だけは多く、腹一杯になった。 釣り1日目(?)は惨敗に終わった。明日は晴れて気温も上がるらしいし、明日からが本番だ! みゆさんには才能がある。もっと伸ばしてほしいものだ。