適材適所という言葉をよく耳にするが見る目はすごいですね。
私達凡人にもそんな上司と出会っていたらと思う時がありました。
子育てももっと子供を理解することだったことかもしれませんね。
アヒルの子はやはりアヒルですけど・・・・・
|
第二章 気づかせること 嫌われ役になる理由 チームリーダーとして、若い選手を注意することが多かったが、進んで嫌われ役になりたかった分けではない。 2009年からはコーチ兼任としてプレーしていたが、選手としては同じ立場である。厳しいことを言って嫌われたくないという思いは、もちろん私にもあった。 では、なぜ厳しいことを言い続けてきたか。それはやはり、チームとして勝ちたいからだった。ヤクルトは他球団に比べて、戦力に恵まれているわけではない。そういう状況のなかでは、選手全員が戦力にならないと長いシーズン勝ち進むことはできない。だから、心を鬼にして、厳しいことも言ってきたつもりだった。 もちろん、私の考えがすべて正しいかどうか分からない。それでも、思ったことは言ってきた。遠慮なく言ってきたつもりではあるが、「自分が嫌われ役になってチームをよくしたい」というような思いは少しもなかった。 チームリーダーを任されるなかで、ひとつ分かったことがある。それは、チーム全員が同じ志を持つことは、やはり難しいということだ。それならば、同じ方向を向くような役割を与えたほうがいい。 もちろん、チーム全員が同じ志を持つことが理想ではある。だが、どれだけ言葉で説明しても、気がつくことのできない選手がいる。それなら、言葉は悪いが、その選手の「使い方」を考えたほうがいい。 例えば、一軍のベンチに入る選手は28人いる。一年間を通じて考えれば、ファームとの間を行ったり来たりする選手を含めて、30人から40人が本当の意味での戦力だといえる。 この30人から40人が全員、まったく同じ方向を向くというのは、考えにくい。選手それぞれの性格もあれば、育ってきた環境や、チームのなかで置かれている状況が違うからだ。 私も以前は全員が同じ志を持たないといけないと思っていたのだ。だが、違う志を持った選手でも、役割を与えることで、チームとして同じベクトルを持つことができると気づいたのである。 そう思うようになったきっかけは、小川淳司監督の青木宣親(現・ロイヤルズ)に対する起用法だった。青木は毎年のように打率三割以上をマークし、2005年、07年、10年に首位打者を獲得した打者である。07年には20本塁打と甘いボールを本塁打にする力もあった。 青木ほどの打力のある選手であれば、誰が監督でも三番で使いたいものである。相手投手が警戒するなかで、毎年三割以上を打つことができる力を持っているからだ。ところが、2010年シーズン途中に最下位の責任を取って辞任した高田繁監督(現・横浜DeNAゼネラルマネジャー)の後を受けて監督代行となった小川監督は、青木を一番で固定して戦うことを選んだ。 青木には打つということに対してはものすごい集中力がある一方で、たまに集中力を欠いてしまう場面があった。それがときには、わがままに映ってしまうことがあった。そのため、三番に置いたり、二番に置いたりすると、試合状況を考えないといけない場面が多くなり、安打を打って出塁することに長けた青木のよさを殺してしまうこともあった。 だから、青木には安打を打って出塁することだけに集中できる一番に置いたほうがいい。三番や二番において多くの役割を与えるよりも、それが結局はチームのためになる。小川監督はそう判断したのだろう。 一番に固定された青木は水を得た魚のように安打を重ねた。その年、二度目の200安打を達成すると、「ミスタースワローズ」と呼ばれた若松監督(在任1999~2005年)が持っていた打率の球団記録も更新した。チームも19あった借金を完済し、クライマックスシリーズ進出争いに加わった。小川監督が明確な役割を与えたことで、青木が最大限の力を発揮した結果である。 明確な役割を与えることで、チームとしてのベクトルを示すことができる。青木を一番に固定したことで、そういう考え方もあるのかと気づかされることが多かった。 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |