みつちゃんさん
ありがとうございます。
芸能界に興味のない私は知らないことばかりです。
それでも、名前だけは聞いたことがあるような方が出てきますので、これを写しながらうんうんと思うところがあります。
こんな解説を見た後で観ることができたら良かったのにと思っています。
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〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・御前様のことば 仏様は愚者を愛しておられます。 もしかしたら、私のような中途半端な坊主より 寅の方をお好きじゃないかと、そう思うことがありますよ。 第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』から 第1作で寅さんが20年ぶりに柴又に帰ってきたのが、帝釈天の宵庚申の縁日です。おいちゃん、おばちゃん、さくらより前に、寅さんが帰還を報告するのが、御前様こと題経寺の住職・坪内日奏(笠智衆)でした。 寅さんが、父・車平造と柴又芸者お菊との間に生まれてほどなく、お菊が関西に鞍替えするため、寅さんをとらやの前においていった頃から、寅さんにとってかけがえのない存在です。悪ガキだった寅さんにも慈愛の気持ちで接して、何かにつけて、心配していたそれまでのことがシリーズを観ていると伺えます。 笠智衆さんは、熊本県の浄土真宗のお寺の息子として生まれ、1925(大正14)年に松竹キネマ蒲田撮影所に入所、以来68年間の俳優人生を過ごした名優です。亡くなる前年の第45作『寅次郎の青春』まで御前様を演じられました。 さて、御前様と寅さんにまつわるエピソードは、シリーズの数だけありますが、印象的なのが、奈良で寅さんが御前様と娘の冬子(光本幸子)とバッタリ会って、楽しいひとときを過ごすシーンです。寅さんが写真を撮るときに思わず御前様が「バター」と言ってしまい、冬子が笑い転げるのを、何がおかしいか判らない寅さんが「チーズがどうかしたんですか」とキョトンとする。その喜劇的状況は、シリーズ屈指の名場面です。 第39作『寅次郎物語』で御前様は、テキ屋の父が病没した秀吉少年の母親探しに奔走した寅さんのことを、「仏様が寅の姿を借りてその子を助けられたのでしょうなあ」とさくらに話します。困った人のために、とりあえず動いてしまう寅さんの無欲さ、無垢さを仏様が愛しておられると、御前様は言いたかったのでしょう。「他人の幸せを考えることが寅さんの幸せ」の本質がここにはあります。 「もしかしたら、私のような中途半端な坊主より寅の方をお好きじゃないかと、そう思うことがありますよ」としみじみ語る御前様のことばには、愚かしきことの数々を反省しながら、奮闘努力の日々を過ごしている寅さんへの、深い愛情が感じられるのです。 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |