木造駅舎 「駅が後世に残された時のことを想像し、駅のために募金活動をした努力は称賛に値する」―。掛川市のJR掛川駅木造駅舎の耐震化・復元工事の完成式典に、キャロライン・ケネディ駐日米大使が寄せたメッセージは、市民の大切な記憶として刻まれるだろう。 JR東海の建て替え提案に対し、「ぜひ残したい」と市民運動が起こり、「掛川木造駅舎を保存・活用する会」(鷲山恭彦会長)の募金活動で6700万円が市負担財源の一部に充てられ、全国の新幹線で唯一の木造駅舎が残った。 「積み上げてきた記憶を持つ、伝統ある風格は何事にも代え難い」―。鷲山会長の言う通りだと思う。そして、駅舎の保存運動にゆかりのあるケネディ大使へ式典の招待状を送った松井三郎市長の発想に拍手だ。(掛川支局・佐野太郎) |