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こと色恋の道にかけては、俺の前ではおまえは くちばしの黄色いヒヨコも同然だよ。 第35作『男はつらいよ 寅次郎恋愛塾』から 寅さんは「恋の達人です」。厳密にいえば、恋をすること、相手を想うことにかけては、他の追随を許しません。 第1作では、妹・さくらに恋をした博、第10作『寅次郎夢枕』では、東大理学部の助教授・岡倉先生(米倉斉加年)、第14作『寅次郎子守唄』では、千住の玩具工場の労働者・大川弥太郎(上條恒彦)などなど、寅さんは、これまでも多くの悩みを抱えた男の恋の指南役を買って出ていました。 そのアドバイスが的確かどうかはともかく、第10作の岡倉先生以外は、見事に結ばれているので、寅さんの縁結び力、あなどれません。 寅さんに恋の指南を受ける男性は、研究や学問に全てをささげてきたインテリか、武骨に生きてきたブルーカラーに大別されます。 第30作『花も嵐も寅次郎』で、沢田研二さんが演じた、今はなき千葉県習志野市の谷津遊園のチンパンジーの飼育係の三郎は、二枚目すぎたので、例外かもしれませんが。 さて、第35作『寅次郎恋愛塾』にも、悩める青年が登場します。マドンナ・江上若菜(樋口可南子)を一方的に想うあまり、勉強も手に付かない司法浪人の酒田民夫(平田満)に対して、寅さんが一計を案じます。 若菜と民夫、寅さんの三人で映画に行こうと誘い、寅さんは腹痛ということにして行けなくなるので、結果二人でデートしてこい、という作戦です。 どう考えても無理のある茶番ですが、マジメ一筋の民夫は、法曹を目指す人間として人をだますようなことはできないと奮然とします。そのとき寅さんが言ったのが本編のことばです。「こと色恋の道にかけては」にみなぎる寅さんの自信。経験に裏打ちされたものです。 民夫と若菜は、それからいろいろあって、結ばれるのですが、寅さんのアドバイスはあくまでもきっかけに過ぎません。寅さんに背中を押されて、とりあえず行動し、自分の気持ちを懸命に相手に伝えることで、大願成就するのです。寅さんが教えてくれたのは、人まかせではなく、自分で行動する勇気だったのです。 × × 誤字脱字写し間違いあります。 ※垂木川支流のホタル今月24日~6月8日ごろが見頃だそうです。 (3月15日放流) |