9月29日、阿寒川からホテルに帰ってきた後、来客があった。イラストレーターの沖野和宏さんが奥さんと一緒にホテルに来てくれた。〈明日お帰りだそうで、お礼がてら、おみやげを持ってきました〉と言う。 当方としては礼を言われるようなことは何もしていないので当惑したが、数日前の夕食会とその時さしあげた「水に浮くフライとその作成法」のお礼だそうだ。ボクとしては数年前にイラスト原画をいただいたので、そのお礼を兼ねて夕食会に誘ったので、お礼のお礼というか、ややこんがらがった感じであった。だが、わざわざ訪ねてくれ、とても嬉しかった。 初めて見たオキノさんのイラストは、ネットマガジン「ふらい人」で掲載された「誰もいない川」だった。それは夕暮れの黄金色の空を背景に川に一人の釣り人が向かっているものだった。そのイラストは釣り人の心情を見事に表現していたし、おだやかでやさしい雰囲気で描かれ、ボクはその絵を見た瞬間心をわしづかみされたような感じで、すぐ好きになったものだ。そこで「ふらい人」の編集人を介してオキノさんを紹介してもらい、「誰もいない川」の原画を送ってもらったのだった。そのイラストは額装し、今はボクのクリニックの診察室の壁に掛かっている。 今回初めてオキノさん本人にお会いし、彼のイラストに登場する人物はご本人がモデルになっていることを確信したのだった。 そして、いただいたお土産袋には礼状も入っていて、それにもすてきなイラストが描かれていた。あんな絵がサラリと描けるなんていいなあと思ったり、ボクにも描けそうにもみえるが、いやいや、そんなものではないということは承知している。だいいち、ボクには絵心というものがないのだから。 今度、オキノさんにボクの肖像画を描いてもらおうかと思っている。描いてくれればいいが・・・ ブログ:雨鱒のつぶやき http://ametubu.exblog.jp/ ”誰もいない川”