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ラーバンの森から(49) 文と絵・やまざきようこ 山笑う 首相が豪快な!?笑い 野山が目もさえるような新緑で覆われるようになった。 「木々の緑の美しさを『山笑う』って俳句では言うのよ」と母が言う。4月28日はじいちゃんの満99歳の誕生日。母やじいちゃんに草餅をと、畑のあぜの餅草を摘みながら、この冬、米ワシントン州の農家の女性たちと話し合ったのを思い出した。 ドーラ―は500エーカーの畑で小麦や豆をつくり肉牛を飼う。リンダは夫と二人の息子家族で羊や鶏を飼い、1500エーカーの畑でジャガイモや小麦を作る。モーリーは100エーカーの土地で酪農。キャサリンは農業高校の先生。20エーカーの土地で小麦を作り鶏と羊を飼う。 彼女たちに「TPP(環太平洋連携協定)をどう思う?」と聞いた。 「関係ないわ」「企業と政治家が問題にするだけじゃない?」「企業が国を超えて世界の利益を一手に集めるシステムでしょ。国民の貧富の差だけ大きくなる。消費者の意識が問題よ」「農業は誰にも命令されず、働いた分に見合った暮らしができる。それが一番だわ」 別れ際に握手を交わすと、どの手もたくましく、温かかった。 みどりの月間中に、緑化推進運動功労者らを表彰する式典がある。昨年、友人に声を掛けられ出席した。式後の懇親会で「大臣に挨拶しようよ」と誘われ、各大臣に挨拶し、最後に安倍晋三首相の所へ行った。話の中で友人が尋ねた。「ブドウとワインを作っていますが、TPPではどうなりますか」「ブドウ?大丈夫ですよ。君は?」と私に尋ねた。「牛を飼っています」と言うと、首相はワインを片手に明快に言い放った。 「畜産ですか?駄目ですね」 「えっ!」。私たちは唖然として顔を見合わせた。首相の頭の中ではTPPの結論が出ている? 安倍さんは「アッハッハ」と笑って私たちの前から去っていった。 (おけら牧場・ラーバンの森運営) × × おもわず、二度三度と読み返した文でしたので写して見ました。 |