身につまされる話ですね。
今は何であんなに頑張っていただろうと思います。
自分が頑張らなければと思ったこと。
自分がいなくても会社は困らないですね。
そしてずいぶんと悩みました。
今思えばちっぽけな話です。
それにしても名脇役ばかりでしたね。
この映画は知りませんでしたが、見てみたいものです。
おい、お前がいないと会社、つぶれちゃうのか? 第41作『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』から 風の吹くまま、気の向くままに、旅から旅の暮らしをしている寅さん。どこの組織にも属さず、何かに縛られることもありません。 「男はつらいよ」がスタートした1960年代末は、かげりが見え始めたとはいえ、高度成長時代でした。サラリーマンとして頑張れば、出世ができる、給料も上がり、バラ色の未来が待っている。それが当時のホワイトカラーでした。 一方、われらが寅さんは、組織とは無縁のアウトローです。「男はつらいよ」シリーズは、高度成長から低成長時代へと、経済をめぐる状況が大きく変容していくなか、庶民の共感を得て、国民的映画と呼ばれるようになっていったのです。 家族も自己も顧みず、ひたすら会社のため、ニッポン経済のために、働いてきた企業戦士。彼らが、少し息切れしてきたとき、寅さんの自由さに触れることで、癒されることが、シリーズでもしばしばありました。 第15作『寅次郎相合い傘』でサラリーマンの兵頭謙次郎(船越英二)は初恋の女性に会うために、寅さんと小樽を訪ねます。 第34作『寅次郎真実一路』の証券マンの富永健吉(米倉斉加年)は、多忙な日々に、疲れ果てて、失踪してしまいます。 第41作『寅次郎心の旅路』の坂口兵馬(柄本明)も、心身ともに疲れているサラリーマンです。宮城県のローカル線・栗原電鉄(当時)で、鉄道自殺をしようとしたところ失敗。電車に乗り合わせていた寅さんは「俺が面倒見てやる」と馴染みの鳴子温泉の旅館に誘います。 ところが兵馬は、「無断で会社を休んできておりますので」と帰京しようとします。そこで寅さんは「お前がいないと会社、つぶれちゃうのか?」と、素朴な疑問を投げかけます。会社人間にとっては、自己否定に等しいことばですが、同時にその呪縛から解放してくれることばでもあります。 さらに「桶(おけ)にね、お湯を汲(く)んで、何杯も何杯も、こうやってかける。わかったな」と寅さんが諭します。これは、かつて満男に「人間は何のために生きているのか」と聞かれて答えたことの実践です。「生きてて良かった」の喜びを、こうしてぼくたちにも教えてくれる寅さん、素晴らしいです。 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |