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2014年07月03日(木) 
第三章 守る意識
  守備向きな性格とは

 残念なことだが、球界全体を見渡しても、守備力という部分ではレベルが落ちてきていると感じている。
 私が入団した1995年には、各球団に一人は守備の職人と言われる選手がいた。巨人、中日で活躍した川相昌弘さんや西武、ヤクルトで活躍した辻発彦さんがそうだった。守備が売りという選手自体が減ってきているし、最近では本当の意味での守備固めとして試合終盤に出場する選手が減ってきている。
 個人名を挙げれば、楽天でセカンドを守る藤田一也の守備はうまいと感じることが多い。2013年は楽天の日本一に貢献したが、私が思うのは、彼はやはりセカンドの選手ではなく、ショートで見たいということだ。
 彼のもったいないところは、スローイングの時に力をロスしてしまう部分にある。投げる時に腕よりも先に頭が前に出てしまうため、最後まで力がボールに伝わらない。
 もっと頭が残って投げられるようになれば、腕が強く振れるので強いボールが投げられるようになる。セカンドを守るのであれば今のままでいいのだろうが、もう一度ショートで鍛えれば、さらにレベルを上げられる可能性があると思っている。
 守備に必要なすべてを兼ね備えている選手といえば、やはり広島の梵(そよぎ)英心だろう。打球への反応、守備範囲の広さ、送球の正確さとも、すべて高いレベルで持ち合わせている。ただ、彼はプレーにムラッ気(け)を見せてしまうことがある。
 もしかしたら追いつけるかもしれないという打球を、先に「もういいや」とあきらめてしまっているように映る時があるのである。素質があるからこそ、そう見えるのだろうが、彼が日本一のショートになりたいと本気になって取り組めば、凄い選手になる可能性がある。
 このように性格の部分が、守備には大きな影響を与えると思っている。
 2011年のオフには、巨人の坂本勇人が松山での合同自主トレに参加した。他球団の選手に教えることには賛否両論あったのが事実だが、純粋に球界全体のレベルが上がればいいと思って教えた。もちろん、10日間ほどで簡単に上達するわけがない。ただ、彼に必要だと思った部分を伝えたつもりである。
 当時に比べれば、守備はうまくなっていると感じるが、まだまだプレーに軽さを感じてしまう時がある。2013年のオールスターでは、目の前で守備練習を見る機会があった。どう変わっているのか、興味があった。
 一緒にノックを受けながら、動きを見た。坂本が「どうですか?」と聞きに来たのだが、「軽うなったな」とだけ言った。本人は「えっ?」という感じで気づいていないようだったが、もうひとつ守備のレベルを上げるためには、この軽さをなくさなければいけないと思っている。
 例えば、高いバウンドのセカンドゴロに勢いよく前進してきて、グラブだけをポンと前に出して後ろに逸らして、「ああ、しまった!」という顔をする選手を見ることがあると思う。身体能力が高い選手に多いプレーなのだが、あれは内野手として一番ダメだと思っている。バウンドが合わなかった時に、なんとかグラブに右手を添えて捕りにいくとか、せめて身体に当てて前に落とすとかいうのが、最終的に内野手として大事な姿勢だと思っているからだ。
 もちろん、守備はアウトにしなければ意味はない。だが、自分の身体のラインから外して片手だけで捕りに行くというのは、グラブに入ればすごいプレーだが、必要以上にランナーを進める可能性がある。「ああ!」と言っている間に一塁ランナーは三塁まで進むし、変な当たり方をしてボールが転がれば、本塁まで進まれる可能性だってある。
 最後の粘りというのが、内野手にとっては必要な部分だと思っている。相手チームがそういったプレーでグラブに入った時には「うわ、すごいな」という雰囲気になるが、ベンチでは若い選手に「あんなん、絶対やるなよ」と言うようにしていた。守備に必要なのは、粘り強い性格である。
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閲覧数496 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2014/07/03 11:59
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