毎日新聞 3013年1月21日付 夕刊 【小5 「疲れ癒してあげたい」】 「簡単」「手軽」が売りのインスタントラーメンを使った創作料理を競う小学生コンテストの頂点に、東大阪市の5年生女児(11)が立った。市販のみそラーメンをコクのある担々麺に"変身″」させた。審査員を「大人顔負け」とうならせたのは、美容師で帰宅が遅い母親に「疲れを癒してあげたい」と考え抜いたレシピだった。 東京都内で昨年あった「第11回インスタントラーメン小学生レシピコンクール」(日本即席食品工業協会主催)。全国の小学4~6年生から6690通の応募があり、地区大会を勝ち抜いた17人が全国大会を競い、料理人らが栄養バランスや独創性など5項目を審査した。 最優秀に輝いたのは、東大阪市立荒川小の角谷ひなたさんの「冷しタンタンメン」。美容師で帰宅が遅くなることもある母多恵さん(41)のために、メニューを考えた。ラーメン好きの父圭司さん(42)から「担々麺が人気」と聞き、「冷えた麺でさっぱり仕上げ、ラー油の辛さで疲れを飛ばしてもらおう」。レシピを決め、圭司さんと試作を繰り返した。 市販のみそラーメンのスープに、水で溶いた練りごまを加えてコクを出した。麺はインスタントそのまま。具材は、買ってきた牛ミンチを砂糖としょうゆで甘辛く味付けし、脂分を取ながら炒める。サッとゆでた緑色のチンゲンサイを盛りつけ、赤色のラー油をかけて完成だ。白いスープに野菜の色が映える。 審査員からは「ラー油のかけ方がフランス風で、小学生が作ったとは思えない大人の味」「さっぱりして、夏においしく食べられそう」と絶賛された。 ラーメンをすすった多恵さんは「本当に娘が作ったのだろうか」と感激。「子どもには大人が思っている以上に能力があるのに、抑えつけていたのかも」と、家庭教育のあり方を考えるようになったという。ひなたさんは「毎日ご飯を作ってくれる両親のために振る舞える自慢のレシピ。初めて料理に自信が持てた」と笑顔で話した。 (山田尚弘、写真も) 〈読者投稿〉 このお嬢さんは、遅くまで働く美容師のお母さんのために、「疲れを癒してあげたい」とインスタントラーメンを工夫し、大人顔負けの「冷しタンタンメン」を作り、コンテストで第1位に輝きました。この記事を読み、このお嬢さんの優しさ、子供の持つ能力の素晴らしさに触れ、うれしい気持ちになりました。 お母さんも「子供は大人が思っている以上に能力があるのに抑えつけていた」素直に反省しておられることをお読み、このお嬢さんのご両親は、どんなに仕事が忙しくても決して子育てをおろそかにせず、子どもに優しく接しておられる家庭の雰囲気がよく分かり、ほのぼのとした気持ちになりました。 このお嬢さんも、いつまでもご両親をいたわる優しい気持ちを忘れずに、立派な大人になってほしいと思います。 私も家内任せの食事を反省し、料理作りに頑張ろうという気持ちになりました。 清水明さん 64歳 京都府 × × 誤字脱字写し間違いあります。 |