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〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・御前様のことば 仏様は愚者を愛しておられます。 もしかしたら、私のような中途半端な坊主より 寅の方をお好きじゃないかと、そう思うことがありますよ。 第39作『男はつらいよ 寅次郎物語』から 第1作で寅さんが20年ぶりに柴又に帰ってきたのが、帝釈天の宵庚申の縁日です。おいちゃん、おばちゃん、さくらより前に、寅さんが帰還を報告するのが、御前様こと題経寺の住職・坪内日奏(笠智衆)でした。 寅さんが、父・車平造と柴又芸者お菊との間に生まれてほどなく、お菊が関西に … [続きを読む] |
〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・タコ社長のことば おばちゃん大変だねぇ、 寅さん、恋の病で寝込んじゃったっていうじゃないか。 第12作『男はつらいよ 私の寅さん』から とらやの裏手で、朝日印刷株式会社を経営している、タコ社長には、劇中ほとんど呼ばれませんが、桂梅太郎というれっきとした名前があります。終戦直後、奥さんと始めた印刷工場を、昭和40年代から平成にかけての、激動の日本経済のなかで、どうにかこうにか切り盛りしてきました。 おいちゃんこと、車竜造とは昔なじみということもあり、車一家 … [続きを読む] |
〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・満男のことば おじさんは、他人の悲しさや寂しさが、 よく理解できる人間なんだ。 第47作『男はつらいよ 拝啓車寅次郎様』から 博とさくらの一人息子・満男は、第1作のラストで誕生しました。変わらないことを身上とした「男はつらいよ」のなかで、子供から大人へとダイナミックな成長を遂げていったのが、満男です。第27作『浪花の恋の寅次郎』からは、それまでの中村はやとくんとバトンタッチして、『遥かなる山の呼び声』(1980年)で倍賞千恵子さんの息子役で出演した吉岡秀隆くんが演じることとなりま … [続きを読む] |
〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・博のことば つまり、兄さんの言いたい事は、 平凡な人間の営みの中にこそ、幸せがあるとでも言うのかなぁ。 第8作『男はつらいよ 寅次郎恋歌』から 第1作『男はつらいよ』で、裏の印刷工場に勤める諏訪博(前田吟)が、さくらに一目惚れしてから三年。寅さんがその橋渡しを買って出ますが、それがうまく行かなかったと思い込んだ博は、工場を辞めて、北海道に帰ろうとします。三年間の恋慕を告白した博は「僕は出て行きますけど、さくらさん幸せになってください」と立ち去ります。 そ … [続きを読む] |
もう桜が散った地域もあれば、まだこれからの地方もある。日本人は咲きはじめにも散りぎわにも花の美を感じる。満開は目で見て楽しむもの、散りぎわは心で見て少しばかり無常の思いに浸るものか。 「えー、花見と申しましても見る人によっていろいろでして、お坊さんなんぞは『おうおう、見事に咲いたものじゃが、明日(あす)ありと思う心のあだ桜、夜半(よわ)にあらしの吹かぬものかは。南無阿弥陀仏』ってんで湿っぽくなりますな」 花見の噺(はなし)のマクラに落語家はこんなことを言う。これには続きがある。 「お侍は乱暴です。『見事に咲き終わったな。そ … [続きを読む] |
〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・おばちゃんのことば お見舞いもらったり、お返ししたり、 どうして日本人はこんなめんどくさい事するんだろうね。 第38作『男はつらいよ知床旅情』から 寅さんには、三人の母親がいます。一人は、産みの母親・お菊(ミヤコ蝶々)。もう一人は、夫が芸者に産ませた子供にも関わらず、長男、そして長女のさくらと分け隔てなく愛情を注いでくれた育ての母親です。 しかし、育ての母も秀才の兄貴も早くに亡くなり、16歳で家を飛び出して以来、20年も故郷・柴又に帰らなかった寅さんにとって … [続きを読む] |
〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・おいちゃんのことば おい、まくら、さくら取ってくれ。 第8作『男はつらいよ寅次郎恋歌』から 帝釈天参道で老舗の団子屋「とらや」を経営する車竜造は、江戸時代から数えて六代目と第6作『純情篇』の劇中のテレビ番組「ふるさとの川 江戸川」で紹介されています。おいちゃんは、寅さんとさくらの父・車平造の弟で、平造の没後「とらや」主人として店を切り盛りしてきました。 第1作でおいちゃんを演じたのが、ベテランのコメディアン、森川信さん。戦前大阪で「森川信一座」を結成して大人 … [続きを読む] |
〈特別篇〉寅さんの“家族の”ことば・さくらのことば 一度はお兄ちゃんと交代して、あたしのこと、 心配させてやりたいわ。 第8作『男はつらいよ寅次郎恋歌』から 「男はつらいよ」は、兄を想うさくらと、妹の幸せを願う寅さんの「あにいもうとの物語」です。寅さんは旅先で、いつも故郷・柴又に住むさくらに思いを馳せ、ハガキを出したり、ときには電話でその元気な声を聞いて安心しています。望郷の念やまず、矢も楯もたまらなくなって、柴又に飛んで帰ってきてしまいます。 寅さんが、気ままな旅暮らしを続けていられる … [続きを読む] |
こういうことでしたらアタシにお任せ下さい。 第24作『男はつらいよ 寅次郎春の夢』から 寅さんは、見て見ぬ振りができません。意中のマドンナの悩みには、前後の見境なく行動に出ることもしばしばです。その頼もしさは、彼女たちならずとも見ていて、気持ちがいいです。 「あっしにできることだったら」。この気持ちは、「無法松の一生」の富島松五郎の吉岡大尉夫人への「献身愛」と同根のものです。寅さんの「お任せ下さい」は大抵うまくいかないのですが、珍しく成功したのが第24作『寅次郎春の夢』でした。 娘が英語教室を開 … [続きを読む] |
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